本当だったら、竹炭を練りこんだうどんを食べるつもりだった。
なんでも外国人の方が麺を打っているそうで、
真っ黒な竹炭麺がこの店の看板メニューだからだ。
席に座ると、ちょうど右手に製麺室が目に入った。
パッと見た感じ、とても綺麗に保たれていて、
それがなんとなく印象に残って、
その流れでメニューに目を通す。
見ればいろんな種類のうどんがあり、
看板メニューだからといって殊更強く強調する向きもない。
初めから変化球はやめようと決意するまでに、
時間は掛からなかった。
オーダーしたのはごぼう天うどん。
メニューの写真に比べてずいぶんと気前の良いごぼう天で、
たまたま目にしたテレビの星占いが1位だったかのような、
なんとも言えない、コロリと転がり込んできた幸運。
丼に顔を近づけて深呼吸すれば、
かけつゆのかつお節が立った香りがとても穏やかで、そしてやさしい。
出汁で飲ませるつゆだった。
麺は昼時だからか随時茹でているようで、コシしっかり。
もちろん随時麺が茹で上がっていくので、かつスピーディ。
ごぼう天はそこまで厚衣ではないけど、サクッとした確かな食感。
ゴボウは薄切りで、ちょうどいい厚み。
とても優等生なごぼう天うどんだった。
店内にはご年配の方が多く、和やか。
店主に挨拶する人もちらほらいるし、
スタッフを●●ちゃんとニックネームで呼ぶ光景にも出会えて、
すごく気持ちのいい時間だった。
ぜひとも黒うどんもいつか、だな。
おごちそうさまでした !!