「濃厚とんこつ かなで食堂」の姉妹店。
そのように聞くと、なるほど、濃厚系の店なのかとイメージする。
ところが、店主松尾さんが狙ったのはその対極。
店頭には「食後の罪悪感なし」と大きく謳われているように、
ここ「中華そば かなで」では中華そば、塩そばを二本柱にしている。
淡麗かつ滋味豊かな「中華そば」は
麺の形状がそのまま映し出される透明感溢れる清湯の鶏ガラスープに、
奥出雲で仕込まれたという天然醸造の丸大豆再仕込み醤油を合わせた一品。
合わせるのが自家製の中細手もみ麺。
そのほのかなウェーブが醤油スープを絡め取る。
というように、中華そばもかなり好みなのだが、
汁なし担々麺を食べて、脳天にイナズマをくらった。
メニューに四川風でもなく、広島風でもないと書かれていた通り、
確かにそのどちらでもないと思う。
ラーメン店の汁なし担々麺というカテゴリーがあるなら、
まさにそこに着地する味わい。
なんというか、着想がそもそも違うのではないか。
ラーメンといえば麺とスープが土台となる。
この汁なし担々麺もそれを感じた。
花椒による痺れで魅せるわけでもなく、
かといって完全なスープオフでもない。
麺を食べさせるために必要最小限の汁気を備えた、
そんな一杯だった。
かなでさん自体が自家製麺ということもあり、
この汁なし担々麺のためにあつらえた平打ち中太麺が、
しなやかかつ風味豊かで、麺もきっちり美味い。
汁なし担々麺のハイブリット形だと思った。
限りなくスープに近いタレで、ご飯も進む。
後半に追いスープを投入してきっちり完食。
中華そば、塩そば、そして汁なし担々麺という三本柱が、
次回の注文を大いに迷わせる。
おごちそうさまでした !!。