「ちゃんぽんが好きなら一度は行っとかないと」。
随分と前に熊本へ取材に行った時、
とあるお店のマスターが言い放った言葉だ。
店の名前は明月(めいげつ)。
営業時間は11時から14時まで(と聞いた)。
これだけでも、なかなかハードルが高いんですが、
店があるのは苓北。
そう、天草の北西に位置する苓北なのです。
松橋から車で約1時間で本渡に着き、
そこからさらに約1時間の場所にあります。
福岡からだと、、、ざっと4時間くらいでしょうか。
週末は行列ができるほどの人気ぶりで、
僕が訪れた平日でも13:30と外した時間でも満席でしたから、
例えば、週末にオープン訪問をしようとおもうと
福岡を朝7時に出なければなりません。
閉店ギリギリには着きたくないから、
まあ13時に着きたいと思っても9時の出発は必須。
という具合に、県外から、こと福岡から行くには、
なかなか大変なわけです。
今、明月に行ったという方に出会ったなら、
それだけでも友情が芽生えそうな勢いがありますね。
さて、天草といえば、
「長崎ちゃんぽん」「小浜ちゃんぽん」
と並んで、日本三大ちゃんぽんの一つ。
その中でも名店とされる『明月』のちゃんぽんは、
なかなか個性的な一杯でした。
まずスープは鶏ガラベースのようで、
ぎゅっと詰まった旨味があります。
そして肉もまた鶏肉。
これはかなり珍しいですね。
だいたい豚バラだったりしますから。
まさに明月ならではの一体感ある鶏チャンポン!
野菜はほどよくくったりと火が通してあり、
カマボコとすり身の存在が温かみを添えます。
営業時間の短さの理由の一つなのかもしれませんが、
麺は自家製だそうです。
やや黄色みを帯びた太めの形状で、
切り出したままを用いた角麺。
ほどよくしなやかさがあるあたりから、
生麺からの調理かなと。
これも珍しいほうですよね。
だいたい丸麺が多いですし。
ちなみに、お店の雰囲気は昭和の食堂のよう。
こじんまりとしていて、でもこぎれいにされていて、
ホッとできます。
そんな雰囲気も手伝って、ちゃんぽんも卵入りに。
これが鶏由来のまろやかさと相まって実に絶妙。
「ちゃんぽんが好きなら一度は行っとかないと」。
本当にそう思いました。
ちゃんぽんの経験値がグンとupしましたよ。
おごちそうさまでした !!!