衝撃的な出来事だった。
まさか一つの丼の中に種類の異なる麺が入るなんて。
ここは、名古屋っ子にはその名が知れ渡っているという老舗、
愛知県内、岐阜県にもチェーン展開をしている「長命うどん」さん。
なんと創業は大正2年(1913)。
2017年現在からさかのぼると、、、創業は1世紀以上。
長命という名前は大変縁起が良い。
食べるだけで元気になれそう。
店名の通り、ここは「うどんの店」である。
なんでそんな当たり前のことをことさら強調するのかというと、
最初に言っておかないと、
この店の素晴らしさが余すところなく、そして正確に伝えられないからだ。
本来であれば、うどんを一杯、そばを一杯という風に注文するのが常識。
その常識を覆すのがこの店の深遠なる魅力だ。
なんと、この店では麺を組み合わせて味わうことができる。
ミックスという独自の食べ方があり、
それは、例えば、うどんとそばを一杯の商品として堪能できるのだ。
選べるのは、うどん、そば、中華麺、きしめんの4つ。
これを組み合わせ自由にミックス。
小盛だと1玉、大盛りが2玉、2半盛りは2玉半、特盛りが3玉分で、
特盛りサイズで注文すると、夢のトリプル仕様に!!
せっかく名古屋に来たのだから、きしめんは食べたい。
そしてこの店はそもそもうどん店だから、うどん麺も食べたい。
その悩ましい思いを何の苦悩もなく、スパークさせたのが、
写真のうどん+きしめんである。
なお、地元の方はうどん+中華そばで「う中」、
うどん+そばで「うそ」という具合に略すとのこと。
良いなあ、そういうの本当に良い。
ぼくのはちなみに「うき」なんだろうか。気になる。
きしめんのピロピロっとした食感に、
うどんのしなやかなコシ、異なる感触を交互に楽しみ、
その後は同時に口中に入れて麺を暴れさせてみると、
これまた痛快で、今度は最も細い中華麺ときしめんという、
そんな夢見たいなタッグに挑もうと決めた。
ちなみに、つゆの温度及び、食べ方も指定できる。
かけ、ゆつき、ぬる、ころ、冷やし、盛り。
選んだのが、出汁の存在感もしっかりと感じられそうな「ぬる」。
ぬるい状態で味わう一杯で、
ひやかけとは一味違った美味しさがあり、
熱さに舌をやられることなく、食欲の勢いにまかせて、
思いっきりズルズルいけるのが極楽だった。
つゆは結構、醤油の色が出ているものの、
醤油辛さはそれほど強くない。
中華麺からきしめんまで万能に馴染む、
そんな最大公約数のような懐の深さ。
トッピングには、名古屋ゆえにエビ天を。
てんぷらもオープン直後だったので、たっぷり準備されていて、
その光景も実に素敵で、この数がはけてしまうのかと感心。
食べていると持ち帰り用に麺を買いにご婦人がやって来た。
「ここの麺は本当に美味しいよ」と話しかけてくれ、
ぼくもこうして記事で、誰かに伝えたくなっている。
おごちそうさまでした !!!