実は福岡はそばの街でもある。
そう言うと、「いやいやラーメンだ、うどんだ」という声が、
ドドッと返ってきそうだが、
それは本当にそうなのだ。
博多にはうどんの発祥の地という説があり、
そのことを浸透させるために承天寺には石碑がある。
正しく表現すると、聖一国師によって大陸から製粉のための
工場(器具というほうがよいのか)の図面が伝わって、
それがあったからこそ、粉食文化が広がり、
結果、うどんの発祥の地という表現がなされている。
ただ、石碑にもあるように、
「饂飩蕎麦発祥之地」ということで、
製粉技術は小麦だけでなく、そばにおいても役に立っていたそうで、
そうなると、もっと福岡のそばにも注目すべきでは??
というのが今の気分です。
この春、4月にオープンしたばかりの「蕎麦おざき」さん。
場所がなかなか好みで、
薬院六つ角交差点近くの路地裏にある。
蕎麦ってこういうちょっと奥まった立地が似合うなあ。
ご主人は福岡市内にあるそばの老舗で修業を積み、
この店を開業した。
そばは日本全国から厳選し、自ら製粉するという力の入れよう。
最近、新規オープンのそば店でも、
当初から自家製粉という確率が高く、
それってすごいなあと感心するばかり。
ちなみに店に入ってすぐのところに石臼があり、
その日使っているそばの銘柄も記してある。
そんな自家製粉のそば粉を使った手打ちのそばこそ、
この店の代名詞。
注文したのが「十割そば」(1日10食限定)で、
この日は福井県産あわら市丸岡在来種を使った香り高いそばだった。
麺線も美しく、口に入れた時の収まりの良さもいい。
丁寧な仕事だなあと感じていると、
ミニ丼がやってきて、これまた丁寧な仕事。
店主は宮崎の出身だそうで、
現地にしか出回ってないレアなお酒を常備。
昼と夜の間にアイドルタイムがない、つまり通し営業なので、
それはつまり、昼酒大歓迎ということで、
それはそれはつまり気持ちのよい時間確定だな。
おごちそうさまでした !!