ずっとそわそわしていました。
そして、ようやくこの日がきました。
「麺道 はなもこし」店主による「中華そば始めました」の報せは、
僕のなかでの今年一番のビッグニュースだったのです。
目の前に差し出されたそれは、香り高い一杯でした。
湯気とともに、どこか懐かしい醤油の甘い香りが立ちのぼる。
深呼吸をすると、体が喜ぶ感じとでもいうのか、
心地いい、という表現がぴったりと当てはまります。
レンゲをスープで満たし、持ち上げると、ふわりと漂う魚介の香り。
店主さんに聞くと、この中華そばを作るにあたり、
改めて昆布やサバ節、ウルメ節から個別にダシをとり、
それぞれの特性と長所を把握したそう。
その上で、一つひとつのダシの魅力が重なり合うようにバランスをとっていくという、
“実験”を繰り返したとのこと。
「醤油そのままの味がしないような醤油味を目指した」
まるで禅問答のような言葉。
直球ではない。それでいて直球の味を狙う。
もはや僕にはその世界は想像すらできません。笑
数種の醤油、さらにはつけそばに使う返しを織り交ぜ、
スープにぴったりと寄り添う理想の味を作り上げたそうです。
完成したスープはどっしりと図太く、かつ丸みのある醤油の風味が口いっぱいに広がります。
舌が醤油のうま味に喜んでいるうちに、
後を追うように魚介の豊かなフレーバーが覆いかぶさってきます。
麺はつけそば同様、石臼挽きの粉などを数種の小麦粉をブレンドした中太の平打ちタイプ。
むっちりとした食感があり、しなやかさもあるという女性的な食感です。
もう一ついうと、しっとりとした質感のチャーシューも美味。
先日、チョイ飲みをした際にチャーシュー盛りをオーダーしましたが、
もう、たまりません。
色んなところの麺を食べてきましたが、
これほどシンプルで、かつ攻撃的な中華そばの登場を心から嬉しく思っています。
今後も楽しみです。
おごちそうさまでした !!!