ロシアうどん。全く馴染みのない響きに心が躍る。
そもそもロシアにうどんがあるのか、と驚いた。店の名前は「ダーチャ」。
その一杯が食べられるのは中央区舞鶴。
中央区役所から長浜方面へと抜ける通りがある。
舞鶴に住んでいた頃に通った「大木戸うどん」もある通りで、
そこから一歩入った場所に店を構えている。
「ダーチャ」があるその界隈は、
中華料理店、居酒屋、デリ、バーというように、
飲食店が集まっているエリア。
店主はもともと赤坂門市場(今は閉鎖されている)で「いっとく食堂」という店を営んでいた。
そこで提供していたのがロシア料理。
ひょんなことでロシア料理に触れる機会があったそうで、
店で冒頭に触れたロシアうどんをはじめ、
いくつかの料理を出していた。
老朽化による取り壊しが決まった赤坂門市場から立ち退かなければならなくなり、
こうして移転&リニューアルという形で舞鶴へやってきた。
店を新たに再開するにあたって、店主は2度、ロシアに足を運び、
改めてロシア料理に触れてきたそう。
これが最高。メニューをみると、胸が高まり、心弾む。
以前に比べて、ロシア料理がよりどりみどり。
知らない料理の名前ばかりが連なるメニュー表に、
好奇心がごりごりと掻き立てられる。
ロシアは広い。その味わいも地方によってさまざまで、とても奥が深い。
そう店主は教えてくれた。
ポテトサラダ一つとっても日本のそれとは違う。
なんでもロシアではマッシュ状にせず、
ダイス状にジャガイモをカットするのだという。
ホクホクとしたジャガイモの食感が新鮮だ。
ラムチョップが大変人気だと聞いて注文したら、
一口目にカンと脳に響くスパイシーさ、
そしてラムの臭みはまったく気にならない。
やわらかくって、肉汁がじゅわじゅわ。
そして小籠包みたいな料理はマンティ。
牛のミンチを包んだまんじゅうだ。
味付けは極めて素朴。ほんのりとスパイシー。
こちらも噛み締めると、肉汁じゅわり。
面白いのが上に塗られたサワークリーム。
爽やかさとともに楽しめる饅頭なのだ。
なかなか日本にはない感覚に、ヤラれっぱなし。
そして“ロシアうどん”とは、メニューでいう「ラグマン」のこと。
中国ウイグル地区からロシア連邦中央アジアの国々で親しまれているもので、
スープは真っ赤。激辛というわけではなく、トマト主体のスープなのだ。
トマト以外にも野菜たっぷりな面持ちで、ミネストローネをイメージしてもらえば、
ある程度、近いんだろうと思う。
激辛ではないが、オリジナルのチリソースによって、辛味はほんのりと広がる。
スープのベースは牛テールと骨でとっていて、
ややスパイシーかつ滋味深い味わいがクセになる。
ほかにも聞いたことのないメニューばかりだったが、
ロシア料理の定番、ボルシチスープなどもあって、
斬新かつ、安定感。
とにかくロシア料理で飲むって想像以上にエキサイティングだった。
おごちそうさまでした !!。