福津市で暮らすようになって、2017年6月9日で2年が経った。
2年も生活していると、段々と、いろいろと分かってくるもので、
土地勘のようなものであったり、地域に暮らす人々のことであったり、
もちろん、ぼくの大きな関心ごとである食のことであったりが、
ちょっとばかり理解できてきた。
寿司でいえば、握りなら〜の店がいい、
家族で食べる場合は個室があるから〜、
でも持ち帰りの寿司の場合は〜がいいなど、
シチュエーションに応じていろんな店が使い分けられるようになって、
今、大変暮らしが楽しいわけです。
福津界隈で中華を食べるならどこが良いのか問題。
ラーメン店ではなく、中華料理の店。
こと中華料理についてもいろいろな選択肢ができた。
その中でtoneriはゆっくりと、くつろぐ食事ができるお店としてインプットされている。
最小限の言葉で表現するなら「カフェ風の店づくり」がなされている。
もちろんカフェではなく、カフェという言葉に含まれる、
「ゆっくり過ごせる」「シンプルでスマートな空間」
「気のいいスタッフさんがいておしゃれ」というような、
そんなエッセンスが詰まった中華料理店ということだ。
子連れでも気兼ねなく立ち寄れる雰囲気で、
実際、ぼくらが昼にお邪魔したときはそんなママとお子さんという
グループ客がちらほらと食事をしていて、
いわゆる大衆中華!男たちがガツガツ食べる!というような
そんな光景の真逆で、それだけでなんだか満たされた。
「福新樓」という、博多皿うどん発祥の店にして、
福岡の中華界のパイオニアたる老舗がある。
店主はそこで20年(だったと思う)腕を磨き、この店を開業したそうだ。
となれば、まずは迷うことなく、皿うどんを食べたい。
ランチは定食スタイルの中華ランチがメインだが、
数量限定でこの皿うどんも用意されている。
きっと中華ランチだけのほうが効率が良いと思う。
つまりこの皿うどんは店主がそれでも食べてほしい一品なんだろう。
見た目が美しい。という表現は皿うどんにはこれまで使ったことがなかった。
だって、野菜や肉、魚介を麺と一緒くたにするわけだから、
いろんな具材によって混沌とする。
ところが、ここの皿うどんはなんだか品がよくって、
雑然とするはずの具材たちが、並べられたかのような姿で存在していた。
麺はたっぷりのスープを吸って、
枝をそり曲げるようにたわわな果実が鈴生りとなり、
そんな情景が浮かぶようにみずみずしくぽってりとしていて、
噛みしめる一口ずつに喜びがあった。
夜の料理もほどよい価格設定で、普段使いに嬉しい。
近くにあったら嬉しい、そんなお店。
おごちそうさまでした !!。