幹線道路のロードサイドで勝負する。
これはなかなかタフなシチュエーションだ。
何と言っても、郊外型のチェーン店と勝負しないといけない。
相手は安くて、早くて、、、というのを武器にしている。
その上、味もなかなか美味しい。
「雷蔵」さんが佇むのは国道3号沿い。
北九州方面から博多・天神方面へと向かう途中の、
新宮エリアにある。
ここって、ロードサイドの中でも、とりわけ個人的には難しいエリアだ。
何と言っても、香椎がもうすぐ目の前で、
そのまま博多・天神へと直行するから。
なかなかこの界隈のエリアで、さらに下り線で、
食事をする機会がない。
たまたま、しかも15時半くらいという中途半端な時間に、
昼食を食べ損ね、そこそこ時間もなく、
「雷蔵」さんに寄る全ての条件が満たされたような日。
行くしかない。
国道沿いにある店だから、
この「雷蔵」さんもまた大手チェーンのような印象を受けるが、
支店はあるものの、個人店のほうに属する。
だからということもないかもしれないが、
とても丁寧な一杯だと思っている。
スープは口当たり滑らかで程よい濃度の白濁タイプ。
醤油辛くなく、スープの旨味が生きている印象だ。
丸みのある味わいで、なんだか温かみがある。
そして自家製の麺は博多らしい細ストレートで、
小麦の香りが感じ取れる仕上がり。
スープにもよく絡み、一体感は申し分なし。
改善に改善を重ねて作り上げた味。
以前、取材でそう教えてくれた。
味が良くなるなら、何でもする。
そんながむしゃらさがもたらした今、この一杯は、
静かに心を揺さぶるラーメンで、
思わず汁まで飲み干した。
最後に訪れてから随分と日が経ってしまったが、
これからはもっと行きたいなと実感。
おごちそうさまでした !!