思っていたよりも前衛的な店内にまず驚いた。
ライブハウスのような照明があり、石を切り出したものが一部椅子になっているし、
さらには石の柱もあり、カウンターの天板は赤く、
空間には台形やひし形が随所に取り入れてある。
いわゆる一般的な箱型の店ではない。
1995年の創業なんだそうで、その当時だとさらに異彩を放っていたんではないか。
しかも店があるのは生月(いきつき)町。
長崎県の西端、平戸市のさらに西側で、大きな橋を渡ったところにある生月島、
そのちょうど入口あたりに店はある。
県の中心・長崎市のど真ん中というわけでもないから、さらに凄みが増す。
調べてみたら、ここは「生月鉄工所」という会社さんが、
生月島の魅力を伝えるために創業されているんだとか。
それでこの空間が完成したのかと納得。
ここは「あごだしラーメン」で知られる。
その名の通り、長崎県・五島地方では飛魚を「あご」と呼び、
このあごを炭火で焼いた「焼きあご」で出汁をとっているのだ。
まず、麺、具材の全てがはっきりと視認できる透き通ったスープがいい。
透明感のある茶色というよりは琥珀色に近いか。
そんなスープは香りもほんのり香ばしく、そそる。
醤油が突出している感じはなく、出汁を生かしたスープだ。
脂っ気もないのでとても印象としてやさしい。
具は、チャーシュー、モヤシ、ネギ、シナチク、ナルト。
中太のちぢれ麺は特注だそう。
このしこしこ感が満足を与えてくれる。
昔ながらの中華そばであり、そしてご当地麺、いいなあ。
思わず注文した塩おにぎりが合う、合う。
おごちそうさまでした !!