ぼくにとって大野城はなかなか縁のない地域で、
だからずっと気になりつつ、行けていないお店があった。
それが、この大文字さん。
運良く、その機会が巡り、しかも定休日じゃないということで訪問。
12時台は駐車場が一杯で、しばらく待ち、13時過ぎに来店する。
前情報の通り、厨房からプシューという音が鳴る。
圧力釜を利用しているそうで、そう言われてみると、
ほり野さん、かつみ屋さん、万平さん、パッと思いつく圧力釜系のうどんの提供店は、
市内中心地よりもその近郊にあるようなイメージだ。
久留米に近いからなのか、漬物の取り放題コーナーもあり、
ついついおにぎりも追加でオーダーし、漬物をつまみつつ、待つ。
うどんはつゆの香りがいい。運ばれた瞬間にそう思った。
だからだろう、歯車が合わさったかのように、
眼に映るこの景色が理解できた。
ごぼう天は別添えである。
きっと、つゆそのものの味を楽しんでほしいから。
おにぎりも同時に運ばれてきた。
きっと、まずはつゆを味わってほしいから。
ネギがきちんと盛り付けられた感じで山の形状になっている。
きっと、つゆを大切にしたいから。
ぼくが勝手にきっと、つゆ、きっと、つゆ、と言っているだけで、
その真意は定かではないけど、
心配りのようなものがしっかりと届いた第一印象だった。
つゆはだしの風味が生きていて塩気が強いわけではないのに力強さのようなパワーがある。
麺は箸で切ろうにはコシがあり、噛み締めれば硬いなんてことはないという、まさに絶妙な塩梅。
麺線は美しく、すっとしていて、厚みがそこまでないため、箸で持ち上げた束がきれい。
食べる間、ずっとそのきれいが連続した。
さくっと揚げたてのごぼう天はというと歯ごたえ十分な厚みで、嬉しい限り。
昆布の漬物が評判で、おにぎりと一緒にありがたく。
テーブルで近所のおじちゃんたちが食後、ゆっくりと過ごしていて、
そういう時間が流れている店は、やはり地域の宝なんだろうと思った。
おごちそうさまでした !!