宮崎のうどん文化は深い。
そう痛感させられた。
この「大盛うどん」さんが産声をあげたのは大正2(1913)年。
2013年で創業1世紀を迎えた宮崎一の老舗うどん店だという。
ちなみに“大盛”という屋号だが、
決してラーメン二郎的な山盛りではない。
店は大通り沿いに面していて、大きく大盛と謳う壁掛けが目立つ。
淡い抹茶色の壁に「我こそは老舗だ」というような威圧感はなく、
慎ましやかな姿勢に心がほぐれる。
何を食べようかと迷う。
カレーうどんも評判のようで後ろ髪を引かれるが、
ここはあえてのごぼう天が良いかと判断。
こちらの特徴は醤油といりこで煮出したというつゆ。
色目がかなり濃そうに見えるが、
味わい自体はどぎつくない。
ポイントはその調味で、甘みがしっかり効いている。
なんだか伊勢うどんを彷彿させる味わい。
この甘じょっぱさがなかなかクセになる。
そして麺はやわらかな食感で、太さも5mmほど。
持ち上げてみればつゆの色目によって、
やや琥珀色を帯びていてビューティフル。
揚げ置きのごぼう天は、やはり想像どおり、
このごぼう天の脂っ気が少し入ることで、
つゆにコクが出て、味に奥行きが出る。
ごぼう天、相当、合う。
つゆの色目、味つけを除けば博多うどんの王道のスタイルだが、
オリジナリティ全開、宮崎だからこその一杯だ。
なんで宮崎のうどん文化が深いなと思ったかというと、
こういう老舗が作る個性的なうどんの味があり、
そしてそのうどんと全く異なるアプローチのおくのうどん店のような味が存在し、
四国にルーツを持つ重乃井からの釜揚げうどん文化が合わさり、
これは相当面白い。これからもコツコツ巡っていきたいな。
おごちそうさまでした !!。