ロックンロール、そんな空気感がある。
お客さんたちから“ブラピ”の愛称で親しまれるこの店は、
その店名の通り、黒が基調だ。
店に入るとなんとなくライブハウスに来たかのような、
外の光をほぼほぼ遮断した空間が広がっていて、
カウンターで一心不乱にラーメンを啜る男性たちの後ろ姿が、
なんだかかっこよく見えた。
食べている人が主役の店。
それってなんとなくロックスターがステージでスポットライトを浴びて輝く、
そんなシーンが重なる。
クラシックな豚骨ラーメンの名店が
今もなお数多く残っている佐賀。
この店で出されるラーメンは、
そんな佐賀ラーメンの王道というものがあるなら、
そのレール上にある佐賀ラーメンだ。
奇をてらうことなく、しっかりと取られた白濁スープ。
豚骨のピュアな旨味が凝縮していて、
思わず口の中でスープを転がしたくなる、
そんな甘み豊かな味わい。
スープの色合いはマットで、
表面に浮かぶ脂泡の演出効果も相まって、
なかなか力強そうなビジュアルだが、
こってり感、つまり脂の分量自体は高くないので、
すいすいと飲み進められる。
麺は中細ストレートで、
博多らーめんのそれに比べやや太めがちょうど良い。
麺の食感も十二分に堪能できる。
大ぶりのチャーシューで麺を巻いてほおばるのが至福のひと時。
やっぱりいいなあ。
食べ終えて、その味わいがじんわり染みる。
ライブハウスを出た時のような、
爽やかな汗が額ににじんだ。
おごちそうさまでした !!