木造の平屋の入口あたりには椅子が置かれていて、それがとても合っている。
白い暖簾を潜って店に入る。
中では女性の店主が一人、うどんを作っていた。
カウンターと、テーブルと、小上がり。
民家を利用した店の造りは、その本来の民家的な要素がとても良好に表れていて、
ホッと落ち着くし、ちょっとゆっくりしていこうかという気持ちになる。
これでセルフ式だったら香川にある讃岐うどん店の空気感だ。
店主は笑顔が良くって、それもまた欠かせないこの店の魅力。
ワカメがシーズンの折は、
近くの志賀島で採れた見事なワカメが楽しめるとあってそれにするが、
この日は肉ごぼううどんにした。
ゴボウ天は丼にちょうど収まる大きさで、
その下に肉が見える。
澄んだつゆは香り豊かで、じわりと沁みる。
麺をたぐり、啜る、啜る。
そしてつゆを喉の奥へと流しこみ、
ふっと漏れる吐息で幸せを噛みしめる。
ああ、スロー。こういう時間が好きだ。
おごちそうさまでした !!。