小郡市に新しいうどんの店ができたと聞いたのは6月のこと。
調べたところ2017年3月に開業したそうだ。
ファサードに「三井うどん店」と記されている。
素朴な感じがとても好印象だが、
3月の開業にしてはとてもこの場所に馴染んでいて、
そのことが良い意味での違和感を伝えてくれた。
パチパチと揚げ物の音が鳴る。
先に入っていたお客が注文した商品を作っているようで、
まさに店主が天ぷらを揚げていた。
天ぷらの音は決して大きくはない。
BGMがないため、その音が強調され、静かに響いていた。
そしてエビの香ばしい匂いがふわりと漂ってくる。
注文は、小エビ天に決めた。
カウンターが5席くらいで、小上がりのテーブルが2つ。
主人と奥さまらしき二人で営んでいた。
よく見るとまぜうどんというメニューもあって、
それは伊勢うどんのようなちょっと甘辛いたれに絡めて食べるのだという。
好奇心が大きくくすぐられたが、その後の予定を考え断念。
次はマストで啜ろうと決意したら、
ちょうどうどんができあがった。
麺は近くの製麺所から仕入れているそうで、
そこそこ太めでほわんとやわらか。
茹で置きの麺でこの太さ、なんだかみやけうどんを思い出す。
そしてその口当たりはとてもやさしい。
ご主人が手打ちしていると言われれば、
なるほどそうか、とすんなり納得できるような、
ご主人に似合う麺だった。
つゆは昆布が効いていて、
醤油の印象はそれほど強くない。
熱々のつゆのなかでプワプワと泳ぐ太い麺。
なんだか心がほぐれる佇まいだ。
揚げたての小エビはサックサク。
香ばしさがつゆに溶け込んで、味わいに輪郭が出ている。
ハフハフと太麺を啜って、
パリッサクッと小エビをかじって、
ずずっとつゆを含み、ふうっと一息。
食欲が静かに加速していく。
ちなみに、うどんに使う醤油を使っているのかわからないが、
焼きたてで仕上げてくれる焼きおにぎりも大変美味。
焼きおにぎりって結構手間だと思うのだが、
つまりはそういう手間暇をかけることを厭わない店なんだろう。
国道沿いなのにスローな空気が流れ、
祖父母の家に立ち寄ったような感じもあって、
派手な演出などは一切ないが、心に響く店だった。
おごちそうさまでした !!!