ライターという仕事をしていると、
「今度福岡に行くんだけど、、、」といって、
県外の友人、知人たちから「おすすめの屋台」を聞かれる。
だいたい、天神や中洲あたりというエリアを限定した需要が多いが、
たまに「美味しいもののためならどこにでもいく」という声があり、
そんなときには胸を張って「花山」を勧める。
福岡市には約150の屋台があると言われていて、
おおよそ大半が天神、中洲、長浜の3エリアに集中している。
ただ、それ以外にも屋台は残っていて、
この「花山屋台」がその一つ。
福岡市東区箱崎にある日本三大八幡宮とされる「筥崎宮」。
その参道に屋台を構えている。
創業は1949年だそうで、
現在は2代目の大将が腕をふるっている。
大将は18歳から屋台で働いているそうで、
この道半世紀になろうかという大ベテラン。
初めてこの屋台を訪れた際、
焼き鳥には津屋崎の海水を煮詰めて作った天然塩を使っていること、
ラーメンのスープには化学調味料を使わないことを、
大将はさらり、自然と教えてくれた。
そのお人柄と真摯な姿勢が垣間みえて、
以来、すっかりファンになった。
だから焼鳥もラーメンも、とてもやさしい。
塩気がやわらかく、脂っ気も強くない。
ラーメンのスープは、豚骨の出汁が生きていて、
じんわりと沁みる。
ぼくは決まって「かじめ」という海藻をトッピングする。
これが入ることでとろりとした食感、
そしてかじめからの昆布出汁のような旨みが合わさり、
いっそう満足度が高まる。
全然飾ってない。なのに際立つ一杯。
一般的な屋台と違って、
2倍以上の広さがある点がユニークだ。
もちろん屋台なのだがもはや屋外居酒屋的な雰囲気。
しかも“離れ”と呼ばれる別棟まであって、
子連れで訪れた時に通してもらえ、とても助かった。
ちなみに、いつもは夜だけの営業なのだが、
なんでも日曜だけは昼の12時から開いているようだ。
そういうこともあって、
ぼくは筥崎宮で不定期の日曜に催されている蚤の市に出掛けるとき、
寄るようにしている。
掘り出し物を見つけたあとの一杯は格別なんだな。
おごちそうさまでした !!!