もし近所にあれば、1週間のうち、10日通いたい。
ついに見つけたって感じだ。
信頼のおける方からのおすすめは本当に間違いない。
この「饂飩 きぬ川」さんは、
大阪発のローカル・カルチャー・マガジン「IN/SECTS(インセクツ)」の
編集長Mさんに教えてもらった。
Mさんは食に対してとても良いスタンスで向き合っている方で、
このきぬ川の2つお隣にある老舗昆布問屋「こんぶ土居」さんの冊子を編集していている。
そんな方なので、自然の食材・素材についての知識に明るい。
店の雰囲気はすっごくおしゃれ、ではない。
そして高級感がある、わけでもない。
キャッチーで、派手さのある名物がある、ということもない。
誤解を恐れずにいうと、本当に大衆側にあるうどんの店だ。
ぼくの“きぬ川愛”がとても高まっている理由は、
実はそのあたりにある。
日常が潤う。
これってすごく嬉しいこと。
体によく、心も充してくれる。
そんなささやかな存在は、
いつもにこやかに挨拶してくれ、物腰やわらかで、
ちょっと実家から多く送ってきたからと果物をおすそ分けしてくれ、
掃除の音が煩くなければ、夫婦喧嘩もなく、
ついでに飼っているネコも飼い主に似て愛嬌があって、
末長くお付き合いしたい隣人のようなものだ。
だから、冒頭のとおり。
かけうどんの完成度、関西屈指ではないか。
こんぶ土居さんから仕入れた真昆布、
さらに本枯節などを合わせた無化調のお出汁は、
からっからの大地に降り注ぐ雨のように、
体に吸い込まれ、体の隅々までを満たしていく。
麺も茹で置きをよしとしない。
お腹が美しく、スーッと満たされる感動。
久々に店主に握手を求めたくなった。
うどん遺産に認定したい、本当に。
ちなみにご飯ものもまた良い。
おやこめしとは、卵かけご飯に、
かしわ天をのせたもので、
天丼と卵かけご飯が一度に楽しめるという一品。
このかけうどんとおやこめしのセットは、
心からおすすめしたい。
おごちそうさまでした !!!