毎年、春になると、皿うどんが食べたくなってソワソワする。
僕にとって「元祖ぴかいち」さんの、特に春に提供される皿うどんは特別な存在だ。
ぴかいちの大将との付き合いはかれこれ7、8年くらいだろうか。
まだ駆け出しのライターだった僕は、
取材という形で初めて「ぴかいち」を訪れた。
その時は黒ごま担々麺を取り上げたのだけれど、
大将曰く、ちゃんぽんと皿うどんが美味いという。
たまたまその翌日、その皿うどんを食べることができた。
僕は一瞬で虜になった。
店内のお客さん全員とハイタッチしたかったし、
外に出て、この感動を誰でも良いから伝えたいくらいに、
その味わいが好みだった。
その後、週に3回、それを二ヶ月あまり続けて通い倒し、
皿うどんだけを食べ続けたくらいに愛した。
その後、ペースは落ち着いたものの、やっぱり人生で一番食べてる皿うどんだ。
だから、この店の皿うどんには季節の野菜が使われていて、
その表情が四季折々で少しずつ違うことを、僕は知っている。
中でも大好物の菜の花が入った春の一杯が白眉。
ほろ苦い菜の花特有の風味が加わり、
文句無しのパーフェクト皿うどんになる。
食べていると、大将の「いらっしゃーーい」
「ありがとうございましたーー」という高い声が店内に響く。
やっぱり大好きだなあ、大将のいる空間が。
久しぶりに辛子高菜は買わずに帰った。
なんとなく、菜の花の時期にもう一度くらい行けそうだから。
おごちそうさまでした !!!