「山、メシでも食いに行くか」
ぼくは山と呼ばれていて、よく野中さんから飯に誘ってもらった。
編プロに入ったばかりの頃だから、、今から12、13年前の話になる。
全く経験のないなかで、ライターになりたいと思って、
編集プロダクションに雇ってもらった。
その会社の先輩だったのが野中さんだ。
この「風街」には何度か連れ来られ、
それからずーっとゆるやかに通っている。
店の雰囲気が肌に合うし、
なんだか自分の原点を思い出すような気持ちにもなる。
思い出の店であり、理想的な喫茶店だ。
1Fと2Fにフロアが別れていて、1Fが禁煙、2Fは喫煙。
2Fのほうが空間が広いので、タバコは吸わないけど、
たまに2Fを選ぶことがある。
パスタにサラダ、そしてコーヒーなどのドリンクが付くAセット、
これがぼくの中のスタンダード。
パスタは具材を選び、ソースを選び、必要があれば量も選ぶ。
ソースはトマト、クリーム、和風、カレー、
オーロラなどがあって、よく食べるのはクリーム。
そしてソースが選べないけど、ナポリタンも2種類あって、
それを選ぶこともある。
今日はナポリタンだった。
そんな日は、もう、どうしようもなくナポリタンだ。
不思議な料理だな、他の食べ物で替えが効かない。
ナポリタンのとき、トマトソースのパスタを食べてもちょっと違う。
ナポリタンは揺るぎなく、イコールナポリタン。
そして、ここのナポリタンはすごくバランスがいい。
まず具がたっぷりではないということ。
誤解を恐れずにいえば、ナポリタンにおいては、
具は少なければ少ないほど良いと思っている。
必要最小限、ミニマム。
野菜たっぷり、肉たっぷり、海鮮も入れちゃいました、
すべてぼくの場合はノーサンキュー。
パスタにべっとりと絡みつく濃密なケチャップソースの味、
粉チーズを振りかけ、タバスコも振りかけ、
これを大きな口を開けて、一心不乱にほおばる。
一種の快楽ではなかろうか。
アフタードリンクもしっかりな量で、
特にアイスコーヒーが嬉しい。
ぼんやりと長居するのに、もちろんそのままパソコン仕事をするのにこの上ない環境。
これからも通い続ける。
おごちそうさまでした !!。