いつまでも、このままであってほしい。初めて来た時から、ずっとそう思っている。
そういう店ってなかなかない。
昭和30年の創業。
白濁スープの豚骨ラーメンが誕生した久留米においても、
屈指の老舗だ。
提供されているのは、とってもやさしいスープのラーメン。
そしてうどん、牛丼なんかもある。
うどんかあ、そして支那うどん。ん、支那うどん?!
食べておきたいメニューがいろいろあるなあ。
この日の気分はラーメン。
お客さんは高校生がいたり、ご年配のご婦人、
トラックの運転手さんもいた。
まさに食堂の光景で、地元の時間にお邪魔させてもらっている気がした。
ラーメンを食べたかったのは、その味がずっと気になっていたから。
というのが、もちろんこれほどの名店だから、
過去に食べたことはあるんです。
ただ、それはもう7、8年くらい前の話。
ちょっと違うな、と当時のぼくは思っていて、
そのちょっと違うをずっと胸に抱えて生きてきた、
というと大げさだが、実際、そうなのだ。
スープを一口飲んで、やっぱりだと確信した。
改めて飲んでみて、
白濁した豚骨スープはすっごくやさしい味わい、
つまりギンギンに元ダレが効いているような感じではないってことだが、
そのやさしさが今も健在で、昔食べた時の印象だった。
スープの濃度は実はそこそこあって、
丼の底に豚骨をしっかり炊き出したであろう証の骨粉が少し残っていて、
でも、やさしい。
たぶん、うどんを出しているからなんだろう。
うどん用の出汁を少し合わせているんじゃないかな。
その合わせ具合によって、豚骨がまあるく感じられる。
まさに食堂だからこそのラーメン。
今でこそ、随分とダブルスープは認知されているけど、
なかなかの昔からこの手法をとっていたんではなかろうか。
そう考えると感慨深くって、この一杯は文化遺産にしたい。
おごちそうさまでした !!。