その店の動向が気になってしょうがなかった。
「リラクラーメン」は、本来なら2号店であり、
上之園町の本店とは一味違うラーメンを“出していた”。
“出していた”と言うのは、その後、紆余曲折があったから。
本店は現在、選りすぐりのワインとともに、
自慢の有機野菜を串焼きで味わえる店になっているそうで、
このリラクラーメンでは、以前の本店の味が楽しめる。
かつての本店が移転した、と考えると分かり易いのかも。
「ラーメンというスタイルにこだわりはないんです」
店主のHさんはそんなような意味合いのことを言ったと記憶している。
その言葉だけをこうして文章にして読めば、
とても無責任なようにも思われるかもしれないが、
まったく真逆で、その言葉には覚悟のような強さを感じた。
リラクは、もともと「Organic Noodle RIRAKU」という名で、
この世に産声をあげた。
根底にあるのは、オーガニックなんです。
体に良いもの、健康で、長く愛されるもの、
それらが本質にある。
オーガニックって優しい響きがするし、
そういうイメージがあるけど、
リラクさんで言うところのオーガニックはそういうものの先にある気がする。
強さっていうのかなあ。
体に優しいの先にある、土台となるような強さ。
ラーメンというアウトプットではあるけど、
ラーメンでなければならないなんてことはない。
つまりそういうことなんです。
相変わらず店はすごくセンスがいいし、味は文句なし。
蕎麦を思わせる力強い大地の香りを纏う自家製の麺、
旨味が根を下ろしたかのような分厚いスープ、
食べてるそばから余韻になって蓄積していく魚介のフレーバー、
手間暇かけて育てられた野菜はみずみずしく、
温かいスープの上でちょっと熱が入ることで甘みが際立っていて、
でも最高のラーメンを目指しつつも、
そこに固執してないんだから。
見た目のカッコよさ、
そして中身のカッコよさ、どっちも感じてほしいな。
次に会う時はもっと痺れさせてくれそうな予感を残して、
店を後にした。
おごちそうさまでした !!!