魚町商店街の地下に、ぽつんと食堂がある。
それが「玉川食堂」だ。
ぽつんというと厳密ではなく、
実際は小倉カレーの名店「ガネーシャ」と同じ地下の一角にあるのだが、
行ってみたら分かるんだけど、
ぽつん、という言葉がぴったり当てはまる。
オレンジ色の、なんだかちょっとエキゾチックな階段を降り、
冒険のように地下に広がる通路を歩く。
ガネーシャ前を通り過ぎ、店に着くと、
この店だけ昭和のまま時が止まっているかのよう。
味わいが出たショーケース、
昭和レトロな書体が蛍光灯の青白い光で浮かび上がっている。
ちなみに地下通路入り口の逆側からだと階段を降りてすぐの場所。
充実の定食群の間を颯爽と駆け抜けた目線の先には焼うどん。
これが目当ての一品だ。
元々、玉川という料亭で、その創業は100年近く前。
この食堂になっても丁寧な仕事は健在で、
だしをとり、調味料などを一つひとつ手作りし、
料亭仕立てなのにそれを強く謳うことなく、
さりげない定食として出す。そんな、なんとも粋な食堂だ。
焼うどんも実は手が込んでいる。
麺を茹でたあと、ちゃんぽんに使う出汁を一度、麺に吸わせる。
その上で、醤油、もしくはソース味に仕上げる。
そう、ここは醤油かソースが選べるという点も珍しい。
選んだのは、醤油。
ソースに比べるとさらっとしている醤油ではあるが、
下準備のおかげなのか、とても醤油が麺に馴染んでいる。
ほどよくコシのある麺。噛み締めるとじわじわっと醤油の旨みが溢れる。
小倉名物のぬか炊きも評判で、心からビール飲みたかった。
おごちそうさまでした !!。