インターを降りて、延々と北に向かっていた。
目的地は山口県・長門にある木材関係の某企業。
時間はなかった。
行きすがら、気になる店があったら入ってみよう。
そう決めてアクセルを気持ち弱めに踏んでいた。
・・・一向にない。そもそも店が、ない。
そろそろ長門の中心地に着きそうな感じで、
いよいよコンビニで簡単に済ませようと思ったその時、
このお店に出会った。
漫画なら、手の平を口の前にやって、
息を吸ったような描写になると思う。
「はっ!」
店構えがなんとも美味そうな「麺宗 祐気」。
ここに入ろうと直感した。
戸を開けて入ると、若い店主が爽やかに挨拶してくれた。
ズルズルとやってるお客さんの表情はやわらかい。
無表情だったり、スマホを見ながらだったり、
それが常に悪いわけじゃないんだけど、
この店にはそういうお客がいなかった。
ラーメンをちゃんと食べるお客さんに愛されているんだと感じた。
価格は安くない。1杯700円オーバー。むしろ800円側だ。
理由はメニューを読めばすぐに分かった。
化学調味料や添加物を使わない。
スープの脂を取り除きコラーゲンと野菜でとろみをつけ、
食材の旨味だけでスープを作っているそうだ。
地鶏ベースのスープらしく、
良い素材を使い、その味を生かすため、
余計なものは使わないというポリシー、好きだなあ。
ちょっと調べると、
3種類の豚骨をベースにし、鶏ガラや野菜を合わせ、
魚介類の旨味を煮出した塩ダレで味付けしています、とのこと。
昨年の山口美食コレクションとやらで麺部門で優勝したとも書いてある。
我ながら、この嗅覚!!!!
注文したのは、「地どりらーめん」。
スープはすっきりとしていて、
とってもキレがある。
重たくないんだけど、旨味が詰まっていて、
優しくって、ソリッド。ボクサーみたいだ。
麺はするりとなめらかで、収まりがいい。
途中で柚子ごしょうを入れてもよいということだったが、
全然入れる必要性を感じない。
それくらい、そのままが良いなと思った。
あれこれ化粧しなくても、すっぴんで戦える一杯。
チャーハンも丁寧をそのまま形にしたような、
素朴ながら、好きな感じ。
今度は醤油も食べてみたいなあ。
おごちそうさまでした !!!