「元斗好軒 (げんとこうけん)」のラーメンを食べていると、
ふと、OKAMOTO’Sを思い出した。
営業時間前の店内にはBGMなんてかかってなかったし、
外を走る車の音がかすかに聞こえたくらいで、ほぼ無音だった。
なのに、目の前のラーメンに、
どこか土臭さにも似た不器用さと、温かさを感じ、
OKAMOTO’Sの音が頭をよぎる。
たまたまその頃よく聞いていたからかもしれませんが、
今、こうして日記を書いていて、
通じるものがあったのだと思えます。
取材後に「よかったら」と店主が改めて作ってくださった一杯。
脂は徹底的に抑えられ、醤油もキツくない。
シャッキリとしたモヤシとネギの食感が心地よく、
中太麺のムニンとした感触もすこぶるよく、
派手ではないんですが、しかし記憶にじんわりと刻まれます。
メニューはラーメンと、季節限定の山椒ラーメン、
そして、ご飯と、チャーシューご飯だけ。
いつか店主は
「あれこれ手を広げてもダメになる。今はラーメンをしっかり作っていきたい」
と言っていた。
その言葉にブレはなく、今も一つひとつの品を、
丁寧に作り続けています。
店主にそのことを話すと、
「そんなこと言ってましたっけ」と笑ってごまかす。
謙虚で、シャイで、まじめで、大のラーメン好き。
そんな店主の人柄に惹かれ、きっとまた足を運ぶんだと思う。
おごちそうさまでした !!!