KIJI|山田 祐一郎

福岡のフリーヌードルライター、ライターの山田 祐一郎

その一杯が食べたくて

モツの旨味、辛味が呼び水に。

SHOP NAME: 「

つけ麺Tetsuji

」 / TYPE:

福岡のつけ麺といえば、濃厚魚介豚骨系がメインストリームである。
東京、ひいては関東の有名店の影響が大変強く、
福岡のつけ麺店の中には本場ともいうべき関東から麺を仕入れて使っている店も多い。
そもそも福岡につけ麺文化はなく、
基本になっているのは白濁スープの豚骨ラーメンであり、
文化自体がなかったら、独自の文化は生まれない。

と思っていたのだが、楽しみなお店がオープンした。
「つけ麺 tetsuji」さんは、その屋号のとおり、つけ麺の店であり、
ただ、福岡ですっかり主流となっている濃厚な魚介豚骨によるつけ麺ではない。
提供しているのは魚介出汁をベースにしたつけ汁に、
モツを合わせた福岡ならではのモツつけ麺だ。

店に入るとすぐに製麺機が目に入る。
ここでは小麦とライ麦の全粒粉を合せた風味豊かな自家製麺をウリとしている。
店内はカウンターのみという、すっきりとしたレイアウト。

モツつけ麺は2種あり、一つが白、もう一つが赤。
白がいわゆる基本形になり、白湯スープで仕上げた一杯。
赤は白をベースに担々麺風にアレンジしたピリ辛仕様になる。
気分で赤をチョイスし、席につく。
ちなみにモツを入れないつけ麺(麺200g)はそれぞれ750円、
モツつけ麺は麺量200gで850円。
そしてどのつけ麺でも〆ご飯が付いているというのが最高に嬉しい。

運ばれてきたのは、先にお通し?的なガリトマトという一品。
これが実にすっきり美味で、舌がシャキッと目覚める。
そして、その後、少し待ってつけ麺がおでまし。
つけ汁からはふわりと魚介の豊かな香りが立ち上っていて、
確かにモツが浮かんでいて力強そうなビジュアルではあるが、
濃厚という二文字がすぐに連想されない奥ゆかしさがあった。

麺に目を向ければ大きなしっとりチャーシューが鎮座、
その脇を玉子、海苔、ネギが固めている。
麺には全粒粉によるこげ茶色の斑点がところどころに見受けられ、
ちらっとそのまま口に含むとまず唇上での滑らかさがあり、
確かに小麦の風味が強い。
つけ汁にザブッと半分くらいを沈めて啜り上げると、
モツによる旨味がなかなかのパンチをもたらしてくれた。
そして旨辛さがじわりと後から広がり、
それが呼び水となって次の一手が出る。
そして止まらなくなっていく。
何よりベースの出汁が魚介だからというのもあるのかもしれないが、
キレの良さが印象に残る。

モツ入りという目新しさ、そして具材や締めご飯付きというバランス感、
福岡のつけ麺シーンに新しい風が吹き込んだように思う。

おごちそうさまでした !!

SHOP INFORMATION

つけ麺Tetsuji

tsukemen tetsuji
〒810-0014
福岡県福岡市中央区平尾1-9-8

電話 092-707-0068

ランチ営業時間 11:30 - 15:00

ディナー営業時間 18:00 - 00:00

※夜営業の時間は閉店時間です。ラストオーダー時刻は異なります。

※LO23:30

定休日 不定

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