名古屋で最初にカレーうどんを出した老舗。
まず、そんなお店がちゃんと分かっているんだと感心した。
例えば、ぼくが暮らしている福岡において、
最初にカレーうどんを提供したお店はどこか?
と聞かれても、残念ながら分からない。
いろんな人に聞いてみたが、きちんとした資料が残っていないのだ。
福岡のカレーうどんの歴史は今後も追求していくとして、
話は名古屋のカレーうどんである。
「鯱乃家」さんの創業は1976年。
もともとは、現在、名古屋に展開している「若鯱家」として営業したそうで、
いろいろあって、「鯱乃家」という屋号になったらしい。
その名残で店の2階のところ見てみるとかつての店名が看板に記してあった。
店に入ると、まっすぐにカウンター席が厨房側、そして壁側に連なる。
厨房側の入口側に座り、背後の壁のメニューを眺める。
といっても、心はすでにカレーうどん一択。
衝撃だったのは、その提供スピードで、
本当に、正味3分も掛かっていなんじゃなかろうか。
カップ麺の出来上がりを待つよりも、
体感的に早く、カレーうどんはぼくの目の前にやってきた。
なんでも麺はお客さんの入りを予想しつつ、
茹で置きの状態で準備しているとのこと。
そしてカレーのソースは常に温めてあり、
時間のないサラリーマンにもありがたいこのマッハ提供。痺れる。
まずカレーを味わえば、見た目による印象通り、
とろりとした質感で、濃密かつまろやか。
辛さは抑えてあり、老若男女問わず愛されるであろう仕上がり。
口当たりがよく、そのとろみによって麺にしっかり絡みそうだと容易に想像できた。
そして麺をぐいっとカレーの沼から持ち上げてみれば、
博多でいうところのしなやかでやわらかな茹で置き麺とは全く異なり、
その太めのボディには光沢があり、
そしてなかなかの力強いコシを咀嚼するアゴに伝えてくれる。
実に楽しい、このムッチリとした麺と濃密なカレーの組み合わせ。
カレーを口いっぱいで受け止めるような、
なんともいえないスケール感をカウンターの端っこで堪能した。
そしてよくみれば替え玉の文字。
このカレーとの組み合わせなら、替え玉も悪くないな、きっと。
おごちそうさまでした !!。