駅を降りてどんどん町の中心から外れていく。
比例して飲食店は減っていき、
そのうち、なんでもないような街並みになったかと思ったら、着いた。
店構えに威圧的な感じはなく、町のうどん店といった普通の佇まい。
真っ白な暖簾はピンと四隅が張っていて、
その場に並んでいた人たちは嫌そうではなく、
心から楽しみにしているような表情がうかがえる。
出迎える準備ができているし、食べる準備ができている。
好きな予感しかしないじゃないか。
待つこと20分ほどでお店に入ることができた。
運良くカウンター席に通してもらえ、間近で店主の仕事を感じつつ、
(実際にはちょうど見えない造り)
おでんでもつまみながらうどんを待った。
聞いてない!完全に油断していたが、おでんが凄まじく美味い。
2番だしだろうけど、いや、おでん用にだしをとっているんじゃないかと
思わせるくらい、沁みる、だし、だし、だし。
思わず、夏なんだし、口ずさみそうになった。
グーンとあがったハードルを、
たぬきぶっかけは軽やかに越えていく。
一緒に行ってたUくんも目を見開き、喜ぶ。
第一印象は麺のクオリティの高さ。
グミ感が十分あって、歯がむにむにと食い込む。
はじめて低反発クッションを体感したときを思わせるくらい、
うっとりするような心地よさ。
固すぎず、柔らかすぎず、つるりんと躍動感をそなえる。
全然お店のイチオシでもなかったけど、
ちょっとサクッとした食感を軽くいれたくたぬきにしたが、
軽妙なカリッと感が加わり、結果、麺の食感を殺さず、
絶妙なチョイスとなった。
そして醤油のキリッとした感じも好みだったなあ。
だしとの相性を徹底的に追及したんだろう。
カレーうどんも一口いただく。
こちらは大人仕様のピリ辛。
なんだろうか、店主のセンスの良さだ、最たるは。
どこに何が必要なのか、それを体現できるのだろう。
もう、すっごく感動しきりだった。
おごちそうさまでした !!!