広島らーめんの二大巨頭といえば、
「すずめ」、そして、この「つばめ」。
県外の僕にとって、この2つのお店は、
積年の「食べてみたい!」思いが募った憧れの名店だった。
そんな「すずめ」が4月末で閉店すると聞いた時は、
胸がぎゅっと締めつけられ、心が痛んだ。
きっと休むべき日が来たのだろう。それでも辛い。
残された「つばめ」さんには、
「すずめ」さんの分まで、長く続けてほしいな。
のっけからセンチメンタルだが、
「つばめ」さんのラーメンは今も現役バリバリで、
店を出る頃には、僕の心はすっかり落ちついた。
お店に入ったら、「そば、いくつ?」と声を掛けられる。
ここでの選択肢は限りなく少ない。
中華そば650円、そして、おでん、おむすび。以上。
そうだ、ビールもあった。
カウンターよりもテーブル多くて、
家族連れ率も高い。
人気店だし、お客さんもひっきりなしに来ていたし、
それなのに、この店内の空気はゆるやか。
気の良さそうなお父さん(店主)がチョイチョイと麺をあげ、
テンポよくラーメンを作っていく。
隣の席ではビール飲みながら、昼からゆるりと過ごすおじさんがいて、
彼もそんな店主の様子を楽しそうに見ていた。
持ってこられたラーメンは、
豚骨醤油のスープで、いくぶんか淀んでいる。
出汁がしっかり出してある感じで、
ベース自体は割と重さがあったのに、
一方で脂は少なく、マットな旨みが伝わってくる。
香りは醤油がしっかり。
それでいて尖ってないし、キツさはない、
まろやかで、口当たりが良かった。
後口がよく、余韻に醤油が残る。
醤油が死んでなく、丼の中で生きている感じがした。
食べて食べ終えた後、そんな実感が残った。
町のラーメン屋さん。愛すべき名店だ。
おごちそうさまでした !。