海に遊びに行くように、
うどんを食べに出掛ける。
パッと食べに来て、パッと帰るような、
そういう利用には向かない店だ。
そもそも店主はそういう店を目指していない。
例えば、コーヒーを飲む場合。
コンビニだったらボタン一つでものの数十秒くらいで飲める。
一方で、老舗の喫茶店なら、
ネルドリップで丁寧に時間をかけて落とす。
どっちが良いとか悪いとかではなくって、
世の中にはそういう選択肢が存在する。
うどんといっても色々あり、
こなみのうどんは、ゆっくりが良い。
出汁は無添加。
小さな子供でも安心して飲み干せるつゆに仕上げてある。
麺は遠浅の海岸が続く福津のビーチを思わせるように小さく波打つ。
手揉みによって生じるファジーな麺のねじれが、
唇に心地よい感触を残す。
この店では麺は茹でたてを出すと決めている。
店主が一人で切り盛りする店であるため、
注文するタイミングによっては若干の時間を待つことになるが、
漫画や雑誌でも読みながら、ゆったりと。
定番のごぼう天うどんは、
ごぼう天が丼の半分以上を覆うサイズで、
かぶりつきつつ、くずしつつ。そのままで、浸して。
季節のうどんも楽しい。
昨年のS/Sは梅を添えた冷やかけ、温玉と肉そぼろをのせたぶっかけ、
A/Wにはとろり、ふわりな口当たりのあんかけ。
今年はレモンを効かせたざるうどん、
トマトぶっかけという夏場にぴったりな爽やかなうどんが用意されてある。
四季は、やっぱりゆっくり感じたい。
おごちそうさまでした !!!