パクチーラーメン。もうこの言葉だけで顔がニヤつく。
恋する年頃はいつだって今で、この出会いは一目惚れ。
ある時から店主はパクチーラーメンを作り始めた。
そこにどんな意図があったのか、
実は詳しいことは聞いたことがない。
ただ、「ヤバイのができたよ」と言われれば、
それは行くしかないというもの。
ぼくの半径100mくらいの面々においては
伝説の担々麺でおなじみの一杯を生み出した店主だから、
うまいのはわかっている、
さあ、どううまいんだ、という段にあった。
ベースの出汁は濃厚。ただしこってり感は抑えてある。
そしてそこに合わさるメリハリの効いた返し。
干しエビなどの食材も贅沢に用いてあり、
そこに店主が研鑽を重ねたラー油がキューンとドライブ。
たっぷりのミンチ、山盛りのパクチー。
ガリガリと振りかけられる花椒。
複雑な旨味の渦はこうして生まれる。
そして、このパクチーラーメンには「汁なし」が存在する。
この写真のメニューがまさにそれ。
日本の某所の名物、汁なし担々麺にヒントを得たもので、
スープそのものが極めて少なく、
パクチーや花椒、ほか香辛料といった
脇を固める面々の存在感がグーンと増した一品だ。
中毒性があり、目の前に出されたら、
もうYOU CAN STOP。
食べ終えるまでバーサーカー状態になる。
そして〆のちょいと白飯がマスト。
残ったスープをかけてわしわしとかき込む快感が待つ。
吹き出る汗、比例して躍動する本能、
舌には痺れ、口いっぱいに残る旨味に思わず恍惚。
麺料理の顔をした底なし沼が今宵も手招きする。
おごちそうさまでした !!!