創業は1950年という老舗。
山口県・岩国の名店「寿栄広(すえひろ)食堂」さんは、
好きな要素が盛りだくさん過ぎて、
近くの方が本当に羨ましい。
おばちゃん、とあえて呼ぶが、
ご年配の女性がたくさん働いているお店って好きだ。
「いらっしゃいませー!」と元気な挨拶、
「〜入りましたー!」と木霊するようなオーダーを通す声、
「お〜待たせいたしました〜!」と響く掛け声、
そういう若くって、元気なお店ももちろん好んで通っているが、
それが似合う店、似合わない店があって、
この「寿栄広食堂」は後者。
レジ前のおばちゃんが「いらっしゃい、何名さま?ちょっと待ってね」と、
ぼくに聞こえるくらいの適切な声で対応してくれ、
ラーメンが運ばれてくるときにも、
「はい、お待たせしました、中華そばはどちら?」とやさしく言う。
自然で、このテンポがとてもちょうどいい。
おばちゃんの店は味付けもやさしい、気がする。
スープは甘めの豚骨醤油系。背脂がきっちりと仕事をしている。
いかにもパンチが効いた、やさしくなさそうな見た目なのに、
不思議と、心がじわっと温まる。
なんだろう、長年営んでこられたからこその円熟か。
はたまた、調味料の絶妙な塩梅か。
麺は卵白入りで、しなやか。
昔ながらのラーメン特有な甘みはあるけど、
くどさがなく、これは美味!だと思えた。
そういえば、中華そばを注文すると
「中華」ってオーダーが通されるところにも、
密かにグッときたなあ。
何より、この店の名前が縁起良し。
また来たいお店ができた。
おごちそうさまでした !!!