とっても控えめな店だ。
「看板もほとんどないようなもんだから、
通り過ぎてしまうかもしれませんよ」
そんな話を聞いていたから、
よくよく注意深く車を走らせたのだが、
見事に通り過ぎてしまった。
それくらい目立たない。
※以前、ドォーモさんでご紹介させてもらって以来の訪問
その時は夜だったため、さらに店がわかりずらかった
店主のおっとりとした雰囲気はお変わりなく、
おばあちゃんもお元気そうで嬉しかった。
すごく人気がある店だし、週末には行列ができたりするんだけど、
本当に、店主は控えめ。というか謙虚。
無口でもなく、とっつきにくいわけでもない。
フレンドリーで、控えめ。
そんな店主が「刀削麺 丸新(まるしん)」を営んでいる。
刀削麺では小麦粉の塊を削って麺を作っていく。
店主は実は独学でこの技術を体得した。
お兄さんが近くで蕎麦屋を営んでいて、
そのお兄さんに習って、
その後、自身でスタイルを確立していった、とおっしゃっていた。
注文が入ると小麦の塊を一度軽くこね、麺を削る。
この姿がカッコいいんだよなぁ。
職人が醸し出す特有のオーラがあって、
でもそれは突き放すような強いもんじゃない。
温かい視線でほのぼのと見入ってしまう感じ。
こねたて、削りたて、湯がきたての麺は、
ピロピロであり、ムチムチであり、シコシコである。
一口ごとに多様な食感がクロスオーバーし、
口の中で一斉に騒ぎ出す。
口がライブ会場ならば、これはまさにモッシュ&ダイブ!
注文したスープ刀削麺は、
カツオが効いた鳥スープで最初は和風の味わいだが、
ラー油を入れると中華風に、
コショウをかけて洋風に転ばせるのが快感かつ痛快。
その度に美味いって気持ち悪いくらい独り言が出てしまう。
そして、カレーが果てしなく美味。
カレー刀削麺という、悶絶モノのメニューもあるが、
ミニカレーという気の利いた一品もあるので、
好みでいろいろと試してくださいな。
八代を素通りさせない街にした名店。
そう言っても過言ではない。
おごちそうさまでした !!!