そのラーメンにはフタがありました。
持ち上げると、ふわりと豊かな香りが漂い、
たちどころに食欲がかき立てられます。

「塩ラーメンがリニューアルする」と聞いて驚きました。
というのも、充分美味しかったから。
福岡在住の僕にとって毎日食べられるラーメンではありませんが、
しっかりと記憶に残り、「鹿児島に一軒目あり」と認識しています。
塩ラーメンといえば、一軒目さんの基本の味であり、柱になるもの。
余談ですが、この塩ラーメンは
九州じゃらん「達人が選ぶ鹿児島ご当地ラーメンランキング」で
１位に輝いたこともあります。
ただ、「どうしてもそれ以上のもの仕事をしたかった」というから、
その気合い・覚悟は半端なものではありません。
生まれ変わった塩ラーメンは、姶良麺（アイラーメン）と名付けてありました。

芳香蝦姶良麺(780円)は塩ラーメンでありながら、
塩っぽさはない一杯でした。
禅問答のようですが、塩が前面に出過ぎておらず、
ダシの旨味を受け止め、引き立てる役割を果たしているように、
奥からジリジリと伝わってくる感じです。
奥手な塩気ではありますが、口の中でしっかりと広がり、
なんともいえない旨味を伝えてくれます。
つみれ、チャーシューと、トッピングも相変わらずの旨さ。
色気を感じさせる丁寧な盛り付けが嬉しい。
ほのかに黄みがかった細麺は、
上品な印象を損なうことなくちゅるっと口におさまる。
きっとただ食べただけでは分からないような創意工夫が凝縮してあるのだと思いますが、
さりげなく、すっとまとまっているような印象を受けました。

また食べたいって、２口目で確信しました。