沖縄で一番行きたかった場所に立ち寄れた。
そこは一軒の民家であり、沖縄そばの店。
伝統的な赤瓦屋根がここが沖縄であることを雄弁に物語り、
目隠しと魔よけの役割を果たすという「ヒンプン」がその奥の風景への好奇心をかき立てる。
家屋の周りを囲む風雨にさらされて味の出た石垣、
そして母屋もまた100年以上の歴史があるという。
「フール」と呼ばれる豚舎を兼ねたトイレ、そして庭の池までも含め、
目に見える全てが登録有形文化財に登録されている。
この場所で過ごす時間そのものがtripだ。
ナビがないと行くことさえ困難であろう高台にある『しむじょう』さん。
狭い坂道を上がり、上がり、ようやく辿り着いた先に、
最高の時間が待っていました。
沖縄そばにおいても、昔ながらの手作りを守っているそう。
注文したのは、三枚肉そば(中)、本ソーキそば。
きっと高価であったり、特別なものは一切置かれていないと思うんですが、
そこに沖縄の日常を感じ、待ち時間が何だか楽しい。
やってきたそばはいずれも澄んだスープで、
思ったよりも麺が多い。
三枚肉、本ソーキ、いずれもふっくらと柔らかく、
アゴの力をそれほど使わずに噛み切れます。
三枚肉のほうがややジューシーで、
本ソーキのほうが肉の味がしっかり味わえるような印象を受けました。
あくまで好みで注文してよいと思います。
出汁はカツオの風味がしっかりと主張します。
くどさ、えぐみはなく、キレがいい。
昔ながらの製法を守っていらっしゃるということだったので、
きっと化調の類いも入っていないんじゃないかな。
醤油で丁寧に味を調えているように感じました。
麺は沖縄そばの提供店の中でもかなり細い部類です。
が、引きがしっかりあり、噛み締めると歯の圧力にほどよく抗います。
つるりっと口元への収まりがよく、痛快。
食後は敷地内をぶらりと散策。
吹き抜ける風が心地よく、空を近くに感じる。
沖縄に行くたびに立ち寄りたいお店になりました。
おごちそうさまでした !!!